寒くなると、甘くおいしくなるのが、新潟の郷土野菜「女池菜」です。
新潟市の「食と花の銘産品」に指定されている女池菜ですが、実家でも少しだけ女池菜をつくっているので、時々わけてもらえます。
ゆで方といろんな食べ方を考えてみますね。
女池菜とは?
女池菜は新潟で100年以上にわたり栽培されてきた自慢の冬菜です。

12月上旬から4月下旬にかけて中央区鳥屋野地区で生産出荷されます。雪にうもれ、厳しい新潟の寒さに耐えることで、豊かな甘みと独特の爽やかな風味となる「春一番女池菜」は、新潟の春を代表する味覚です。
明治の初め頃に市内で採種が始められ、鳥屋野地区で優良系統の選抜、採種が行なわれて現在に至っています。
秋に種をまき、冬越しさせて、とう立ちした新芽と若葉を収穫します。豊かな甘みと春を感じさせる風味があり、これほどおいしい菜はなかなかありません。新潟市の誇る逸品です。
出荷期間:12月上旬~4月下旬
生産地区:中央区女池・鳥屋野地区
新潟市ホームページ
文献によると、明治のはじめごろから、今の女池地区や鳥屋野地区で栽培されてきたそうです。
先人たちがおいしさが追求し、品種改良されてきた結果、ほろ苦く、あまい、独特のねっとり感のある今の女池菜になったそうです。
この「しゃもじ型」の葉が女池菜の特徴です。
女池菜がこんなにすごい郷土野菜だということを大人になってから知りました。
女池菜の旬っていつ?
9月ごろに畑に種を蒔きます。
早ければ12月にも食べられるのですが、雪が降るくらいの寒さにあてた方が、甘みがグッと増します。
ビニールをかけないと、雪に埋もれることがあります。
女池菜の上に雪が積もってぺしゃんこになるですね。
「あ~、もう食べられないのかな」と思ってしまうのですが、女池菜は寒さに強く、ちゃんと新葉が出るほどのエネルギーを蓄えています。
傷んだ葉っぱを取り除き、芯の部分だけでも、おいしいんですよね。
旬は、大寒から立春までの、いわゆる1年で一番寒い時期と言われます。
最近では、早くから食べたいという要望が多いため、12月に出荷されるものには「早出し」のラベルが貼られています。
1月から3月に出荷されるものは「春一番」のラベルです。
スーパーでに出回るのは1月から3月上旬ぐらいでしょうか。
価格は、だいたい一把300円後半から400円後半ぐらい。
真冬の雪の中から「こいでくる」女池菜も甘くておいしいですが、3月あたりに出まわり女池菜は「ほろ苦さ」が増して春を感じます。

スーパーでは4月初旬まで売られています。
女池菜の ふつーにおいしいゆで方
実家では、毎日ゆでて食べるのが定番で少し苦みが強い葉先は、みそ汁に入れていました。
春先になって、葉っぱがどんどん伸びてきて食べきれないので、漬け物にしたり、日持ちするように醤油に浸していたこともあります。
甘みがつよい根のところに砂がついていることがあります。
ゆでた後に水でさらすときに落とすこともできますが、砂が残っていると食感が悪いので、ゆでる前によく洗った方がいいです。
ゆで方は、冬菜や小松菜と同様、たっぷりゆでたお湯の中に入れ、3~4分したら、引き上げて水に浸します。
ゆですぎると、色が悪くなります。
このぐらいの鮮やかなグリーンだとおいしそうですよね。
女池菜のレシピ
一番おいしい食べ方は、さっとゆでて、おかかをかけて、醤油をちょっと垂らしたもの。
でも、毎回それじゃ、芸がないなと思って、少しだけアレンジしてみました。

といっても、ゆでた女池菜に塩昆布を和えるだけ。
塩昆布は、塩味が強いものもあるので、加減して入れましょう。
ゆでた女池菜をよく絞って、そこに塩昆布をいれ、まぜまぜするだけ~。

簡単な箸休めができます。
昆布のうま味が、うまい具合に菜っ葉と絡み合っておいしい。酒のつまみにも。
このほかにも、辛子和え、マヨネーズ和えや、卵とじもいいですよ。
肉とも相性がいいし、ベーコンと一緒に炒めてもおいしいです。
女池菜の栄養価
小松菜と同じようにカルシウムが豊富でホウレンソウの3倍含まれています。
そのほかビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類や葉酸、カリウム、鉄分などのミネラル分もあります。
もちろん、植物繊維も豊富です。
こんなに栄養豊富で美味しい郷土野菜を作り続けてきた生産者さんも、最近では高齢化の影響で後継者不足が課題だそうです。
現在、登録商標の女池菜を育てている生産者さんは50名ほど。
このおいしい女池菜、ずっと食べ続けたいな~。
生産者さん任せではなく、みんなで新潟の郷土野菜を守り続けていきましょう。
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